「昨日は食べてくれたのに、今日は一口も食べてくれない…」
「子どもの好き嫌いが多くて、ご飯を作るのが大変」
「どうやったら美味しく食べてくれるんだろう。。」
我が子の好き嫌いに直面すると、日々の食事作りに嫌気が差してしまうことってありますよね。
私が保育士として働いていた8年間で、お母さんたちに相談される内容は「子どもの好き嫌いや偏食について」が圧倒的に多かった気がします。
元保育士・現児童発達支援員の筆者が、我が子にも実践した対応方法を伝授するよ♪数百人の子供を見てきて感じた原因なども載せているので、見てみてね♪
どこまでが好き嫌いで、どこからが偏食?
実は「好き嫌い」と「偏食」は、微妙に違う意味合いを持つということはご存じですか?
「にんじんが嫌い…」「おいもは好きだけど、緑の野菜は嫌い」など、特定の食材や調理したものが嫌いなことを【好き嫌い】と言います。
それに対して【偏食】は「白米しか食べない」「おかずは肉しか食べない」など、特定のものだけをより好みして食べることを言います。
偏食は単純な好き嫌いと違って口内が感覚過敏な場合もあるので、強い偏食に悩まされたときは一度小児科で相談するのも一つの方法です!
今回は「好き嫌い」について深掘りしていきます!
好き嫌いの原因は?年齢別に解説!
多くのお母さんが悩んでいる子どもの「好き嫌い」ですが、乳児期と幼児期でもその原因や対処方法は全く違います!まずは可能性がある原因を、年齢別にまとめてみました。
離乳食期(5ヶ月〜18ヶ月)
母乳やミルクだけでお腹を満たしていた赤ちゃん期から、大きな大きな一歩として始まるのが離乳食です。初めてのお子さんに離乳食を与える時は、楽しみな気持ちだけではなく「不安」や「これで大丈夫?」と日々悩みを抱えているのではないでしょうか。
この時期の好き嫌いは生理的なものがほとんどです^^
- ミルクや母乳が良い!
- 味や食感が気に入らない!
- 薄く単調な味に飽きてきた!
- 歯の生え始め
など複雑な思いではなく「単純で生理的」な原因が多いのが特徴です。
歯が生え始めて、歯茎の痛みや違和感から食事が進まないこともあるよ
1歳半〜2歳頃
この時期の大きな特徴としてみられるのが「行動範囲が広がる」ことと「イヤイヤ期に突入」することが知られています。
それでは一つずつ見ていきましょう。
行動範囲が広がると…?
食材以外にもオモチャや家具などあらゆるものを口に入れることも増えるため、大人は「危ない!」「口に入れないで!」と目が離せなくなりますよね。
しかし子ども自身はその行動で味や食感を学び、同時に「苦いから危ない」「固いから食べられない」など自分の身を守るための本能として好き嫌いが始まるとも言われているのです。
イヤイヤ期に突入すると…?
イヤイヤ期を迎えた子どもは自我がどんどん芽生え、自分の思いを大好きなパパやママにわかってもらおうと一生懸命自己主張をします!
食事の際にも「まだ遊びたい」「全然遊んでいないから、お腹が減っていない」「食べ物や食器で遊んだほうが楽しいぞ」など様々な思いも芽生えていくのです。
この時期の好き嫌いの原因として
- 見慣れないものを警戒している。
- 自分の思いのままに、好きなように食べたい!
- 食べるよりも遊びたい!
- そもそもお腹が空いていない。
といった、離乳食期から大分レベルアップした思いが挙げられます。
3歳〜6歳頃
大半のお子さんが幼稚園や保育園に入り、家庭以外の社会へ進出していくこの時期。
乳児期の「生まれつきの本能」による好き嫌いとは全く違い
自分の経験や、感性での好き嫌いが出てくるのが特徴です。
原因を大きく分けると
- 見た目…「野菜が多そうに見えるから嫌だ」など苦手意識に繋がる。
- 味…苦味や酸味から「毒があるかも…」など想像してしまう場合もある。
- 食感…「グニュッ」「シャキッ」など食感に異物感を感じることも。
- 経験…以前食べた時に熱かった、痒くなったなどの経験から踏み出せないことも。
- 調理工程…「この魚は食べづらいからいらない」と拒否することも。
- その他…親が食べていないから/友達が嫌いって言っていたから など。
このように、一つの食事から様々な思いを経験して好き嫌いに繋がることがあげられます。
実は、こんなことも要因の一つかも?
- ついているテレビが気になって、食べることに集中できない。
- 幼稚園や保育園で、疲れ過ぎている。
- おやつを食べ過ぎて、お腹が減っていない。
- 食事を多く盛られすぎて、食べ終わるまで集中が続かない。
家庭以外の場所でたくさん頑張っているからこその要因もあるかもしれませんね。
我が家では、一回量を少なく盛ったワンプレートでご飯を出して、完食したら自由におかわりという制度にするとスムーズになりました!
好き嫌いが長引く?NGな対応とは!
我が子を思って一生懸命作った食事を「いらない!」と投げられたり、食べてもらえなかった時って本当に落ち込みますよね。時にはイライラしてしまうことも…。
ついつい叱ってしまいガチですが、ちょっとだけ気をつけたい対応やポイントについて見ていきましょう!
おやつの量を増やす
食事の前でも後でも、おやつの量を増やしてお腹を満たすことは基本的にはNGといえます。
食事前のおやつの量が多いと、当然お腹が空かないので食事は進みません。
食事後におやつを出すと、子どもは「食事を食べなくても後でおやつが食べられるからいいや」というふうに学んでしまいます。
おやつは、決まった時間に決まった量を与えるというルーティーンをオススメします!
叱ったり、無理強いする
子どもの体のことや発達のことを考えると、食べてくれないことで焦ってしまい叱ったり「食べて!」と強く当たってしまうこともありますよね。
だからといって、強く叱るのはNG!
その食べ物への苦手意識がより強くなってしまったり、楽しく美味しく食事することができなくなってしまいます。
好き嫌いによって食べ物を投げたり捨てたり、よくない行動が見られた時には
その行動に言葉をかけるようにすると良いですね!
食卓に出すのをやめる
「食べてもらえないから勿体無いし、出すのをやめよう…」
そう思ってしまい、ついつい食べてくれるものや好きなものだけを出してしまいがちですよね。
しかし「食卓に出さない」ということは、それだけ
「挑戦する機会やきっかけもなくなる」ということ。
まずは何度も出し続け、目の前で大好きなご両親が食べる姿を見せたり
その食べ物の見た目に慣れていくということがとても大切です!
残したことは責めず「明日は食べてくれたら嬉しいな」とポジティブな言葉で食事を終われたら子どもも嬉しいね★
食育が大切!好き嫌いの対応方法は?
毎日の食事で困っている好き嫌いに、効果的な対応方法はあるのでしょうか?また、日常の中で取り入れられる「食育」とは具体的にはどのようなことなのでしょうか?
ご家庭で今日から始められる内容ですので、ぜひためしてみてくださいね。
調理方法をかえてみる
見た目や食感に苦手を感じている子には特に効果的な方法が、以下の通りです。
- ミキサーやブレンダーで、食材がわからないようにする
- 型抜きをしたり、料理を一口サイズにしたりと見た目をかえてみる
実際に口に運ぶまではできなくても、子どもの心の中では「いつもと違う」と感じたり「食べてみようかな…」と挑戦するきっかけになるかもしれません!
ブレンダーで細かくして、カレーやポタージュに入れると食べてくれる場合もあるよ!
日常の中に取り入れられる「食育」とは?
食事中や調理段階での工夫ではなく、日常の様々な場面で食材に触れたり、食材に興味を持てるように促すことを食育と言います。
苦手な食べ物に挑戦するには、まず子ども自身がその食材に興味を持たないことには進めません!
では、具体的にはどのように食育を始めたら良いのでしょうか?
家庭菜園やベランダ菜園を始める
家庭菜園はとても効果が高いと言われています!
実際に種や苗を植えたり、毎日水をあげたり成長を見る中で、その食材への愛着が湧いていきますよね。
家庭菜園の中でもオススメなのが
ピーマン・ミニトマト・茄子・きゅうりなどプランターでも栽培出来て、成長過程がよりしっかりと見られるもの!
(根菜など土の中で育つものは、肉眼で成長を見られないというデメリットがあります)
「自分で育てて、自分で収穫して、自分で食べる」という経験が、より喜びや達成感につながるのです!
一緒に買い物や調理をする
3歳以上になると、調理前の食材に興味を持ってもらうためにも
一緒に買い物に行って食材を子どもに選んでもらったり
調理前の野菜を洗う、混ぜる、捏ねるなど調理工程を一緒に行うことができますね。
調理前からの工程で、子どもが自主的に食材に関わることによって
「ぼくが選んだ大根だ!」
「わたしが洗った玉ねぎだ!」
「お母さんと一緒にこねたハンバーグだ!」
と、楽しかった経験や成功体験で
食べることが大好きになったというケースもあります!
食べ物の絵本を見たり、野菜を観察してみるのも◎
ご家庭の事情や時間により、一緒に買い物や調理が難しい場合は
小さい子向けの食べ物の絵本を見るだけでも、ほんの少しの効果はあります^^
また、ご飯を作る際に子どもと一緒に冷蔵庫の食材を見たり
「この人参、不思議な形をしているね!」「どんな匂いなんだろうね?」など一緒に観察してみるのも良いですよね。
食事に集中できる環境作り
ご家庭で食事をする際、子どもの席から気になるものが見えてしまって、なかなか食事に集中することができなくなるケースもあります。
注意するポイントは
- テレビがついている
- 気になるおもちゃが見える
- 親がスマホを触っている
などがあげられます。
特に1歳〜3歳頃の小さな子どもは、よほど食事が大好きでない限りは
集中が継続することは難しいです。
テレビやおもちゃがあれば、当然そちらに注意が向いてしまいます。
家族で楽しい会話をしながら、賑やかな空間で食事ができることを意識すると良いですね!
楽しい気持ちで食べることが、何より大切だよね!
まとめ
今回は子どもの好き嫌いについてまとめてみました!
好き嫌いの原因は年齢によっても大きく違い、それに伴って対応方法や寄り添い方も変わっていきます。
子どもの好き嫌いに悩んだ時は、
食事場面だけではなく、日常の中で出来ることを増やしていったり
子どもはよく遊べていたか? 良質な睡眠を出来ていたか?など
生活全体を見直すことも大切ですね。
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